「どうして生きているんだろう」「なんだか満たされない」そんな気持ちを感じたことはありませんか。

インドに古くから伝わる智慧の教えあるヴェーダは、人は本当は足りない存在ではなく、すでに幸せで価値ある存在だと伝えています。

このコラムではアンバサダーのアムリタトシさんが、ヨーガや祈りを通して、自分と世界との関係を見つめ直し、心が少し楽になる生き方のヒントを綴っていきます。

ヴェーダでは、人間が生まれてきたことの意味と目的を明確に教えています。

それは、インドに暮らす人々のためのものではなく、人類にむけられた教えであり、文明が生まれたことから絶え間なく、グルシッシャパランパラー(先生と生徒のコミットメントの中で受け継がれる知識)という形で現代でも大切に継承されています。

人間は、動物や植物とは違い、自由な意志が与えられていますが、それを上手に使うことが最初はできないと言われています。

私たちは皆、無知ゆえに、足りない、満たされない私を自分自身だと思い込み、人生を過ごします。

ヴェーダでは、私の本質は、足りない人でも、満たされない人でもなく、愛そのもの、幸せで満ちている、あらゆる苦悩から自由な存在だと最終的に教えます。

その意味を理解するだけの教えと環境が、今まで少なかったので、今の私と、ヴェーダが教える私にはギャップがあるように思えます。

でも大丈夫です。ご安心を。

今がそのことを知るタイミングです!

まず、個人的な世界の見方(主観)から、全体的な世界の見方(客観)を育む練習をしていきましょう。

今皆さんが日々実践しているヨーガは、身体を浄化し、癒し、心を成長させていくプラクティスです。

ヨーガの源ヴェーダは、肉体的な成長と同時に、心を成長させていくことを非常に大切にしています。 伝統的には8歳前後から、祈りの実践がはじまります。

なぜ、祈るのでしょうか?

それは、世界を客観的に見ることのできる成熟した心を育むためです。でなければ、私たちはいつも自我(エゴ)に束縛され、主観的に世界を見て、世界と摩擦し、人生に悩み苦しみ続けてしまいます。

祈りは、個人の限界を超えた、大きな存在を理解するための行いです。

ヴェーダでは、その存在のことをイーシュワラと呼びます。

『ヨーガ・スートラ』第2章 アシュターンガ・ヨーガの中でヨーガ実践者が追求し深める必要のある、ニヤマの5つ目、『イーシュワラ・プラニダーナ』として知られていますが意外に明確に意味が教えられていません。

シンプルに言えば、イーシュワラ(宇宙・自然の秩序体系)に完全に明け渡すことを意味しています。

そのためにはイーシュワラが何かを知る必要があります。

少し考えてみましょう。

私たちは、原因も結果も全て自分が出していると普段勘違いしていますが、本当はさまざまな恩恵を与えられ生かされているのです。

空気、水、食べ物を育てる大地、太陽や月の光がなければ生きていくことすらできません。もう本当は十分過ぎるほど与えられているのです。

しかし、無知な私は、そのことを知らないので、足りない私を満たすことに必死になっているのです。

この瞬間も地球は太陽の周りを回り公転し、春に向かっています。そして自転しているので毎日太陽が東から登り西に沈みます。

そう、個人の力には限界があり、私たち人間という生命体はその大きな秩序体系の一部の中にあります。あらゆる生命が役に立つように存在し、この宇宙全体が一つの大きな生命体なのです。

ヴェーダの人々は、深い理解と敬意を持ってイーシュワラと呼びます。

私たちの個人的な願望を満たすためにこの人生があるのでしょうか?
全体との調和や不調和に関係なく楽しむためにこの人生があるのでしょうか?

ヴェーダではこの世界は、イーシュワラを理解するために存在していると教えます。

自分も含めた世界を客観的にみて、私ができることは、『ダルマ(調和)』を選択することだと理解できる成熟した心を成長させていくために、幼い頃から祈りの実践を始めるのです。

それほど、自我(エゴ)の束縛は強力であり、過去生から続いていると言われています。

世界と調和するには、心を浄化し、整え、成長させていくことに価値を見出さなければなりません。

インドではこの価値が人々の暮らしに溶けており、親から先生から、社会から教えてもらうことができます。

私たちは、日本社会の中で改めてこの価値に気づき、人生の意味と目的を再構築する必要があります。

日々のヨーガのプラクテイスがそれを助けてくれているのは間違いありません!

世界との摩擦や不満足は、私自身との不調和なのです。

私が私に安らぎ、寛げば寛ぐほど、もっとリラックスして調和を選択していくことができるようになっていきます。

その傍には、いつもジェイドマットがあります。

Harih Om

Amrita Toshi (アムリタ トシ)

京都出身。24年以上インドに通い長期滞在しながら、伝統的なグルシッシャパランパラーで恩師から、ヨーガと人間の幸せと究極的なゴールを教えるヴェーダの叡智を本格的に学ぶ。聖地ヴァラナシで、ハタヨーガをシュリー・ミタイララ・ソンカールに師事、その後、ゴアにてロルフ&マーシーからアシュターンガとアイアンガーシステムを15年間師事し、アシスタントを務める。伝統的なヴェーダ・ヴェーダーンタの教えを世界的指導者であるスワミ・パラマートマナンダ・サラスヴァティに師事。ヨーガとヴェーダを現地で実践体系的に学び深めた日本では稀な存在であり、インドの叡智を現代社会にわかりやすく紹介し、その教えはティーチングの隅々まで行き渡り、情熱的でまっすぐな言葉の一つ一つは、多くの人の考えに明かりを灯す。それは、マットの上だけにとどまらない生き方として人生を捧げているからであろう。
・JADEYOGAJAPAN Ambassador ・Patagonia Pro
HP: https://namah-shivaya.com/
Instagram: @amrita_toshi/

<アムリタトシさんの他のコラムをチェックしよう!>
~プラントベースフードについて~
私がジェイドハーモニーを選んだ理由
心の成長
ヴェーダからみるヨーガの教えと全体像