真の安らぎとはどこからくるのでしょうか。
アンバサダーのアムリタトシさんは、心の成長を通じて真の安らぎを見出すことの大切さを、ヴェーダの教えに基づいて説いています。
またヨーガを通じた社会への貢献や心の調和を追求することの重要性にも触れながら、外に答えを求めるのではなく、自分ができることからはじめることを提案しています。
ヨーガの源であるヴェーダでは、人間の成長には2種類あるといわれています。
一つは、体の成長です。もう一つは、心の成長です。
ヴェーダは、心の成長が人間にとっていかに重要であるかを教え、その実践を、幼い頃からはじめていきます。
心を成長させていくとは、自分自身を広げ、客観的な視野で世界を捉えることでもあります。
普段私たちは、他人、社会、世界、宇宙を自分とは違う存在だと認識し、その繋がりを見ることなく、私とは違うものだと考え、区別してしまいがちです。
果たして本当にそうなのでしょうか。
今この瞬間、この身体を維持するために私は酸素を吸い、二酸化炭素を放出しています。
空気がなければ生命維持はできません。この空気は私たち人間が作ったのでしょうか?
自然界に存在する生命体の一つである、植物が二酸化炭素を吸収し、酸素を放出してくれているおかげで、私たちは生命維持ができるのです。
他にも、土がなければ食物は育ちません。水も、太陽の光も必要です。太陽は地球の外に存在し、絶え間なく生命の営みを支えてくれています。
心を広げてみれば、いつも自然から与えられ、生かされていることがわかります。全ての存在が繋がっていることがわかります。
人生において、調和を選択することが如何に大切な価値なのかという理解につながります。
その大切な価値を、人間社会の狭い視点に入り込みすぎるあまり忘れてしまっているのです。
心を成長させるとは、
私たち人間が、地球、宇宙の生命体の一部であり、目にみえることから、その背後にある目にみえないこと全てに行き渡る、秩序と法則とともに、この宇宙全体が、一つの大きな運行を完璧な形で描いているという事、そして、宇宙がまさに一つの大きな生命体であることをを理解するほどの、心の広がりをもつことでもあります。
ヴェーダでは、その一つの存在をイーシュワラという特別な言葉で表現しています。
人間は宇宙全体の一部であり、歯車なのです。
私たちが、好き勝手にやるようにこの世界は存在していません。
その思い込みによって、自然は破壊され、もう十分すぎるほど与えられているにもかかわらず、それが見えないため、奪い続けるのです。その行為は、人間の根本的な問題が原因であるとヴェーダは教えます。
私たちの心にある「足りない、満たされない」という結論が解決されないまま、体だけが成長することによって、それは起こります。
人は外側の何かを得て叶えることで、満たそうとするのですが、それは一時的で儚く、いつまで経っても、深い安らぎと寛ぎはやってきません。
消費する立場から、貢献する立場へと心を成長することによって初めて、そこからぬけることができるといわれています。
ヨーガはまさに、社会に最大限貢献していきながら、心を成長させていくプラクティスです。
自然環境を守るために貢献することも私たち人間ができることです。
そして、その環境に含まれている私たち自身のライフタイルや生き方を、もう一度見直し、自身の心の摩擦をなくし、心の調和を選択することは、より深い意味で、環境を守り、地球に貢献することにもつながります。
外にばかり答えを求めるのでなく、まず私自身から。
ここから。
それが、地球や宇宙にできるヨーガプラクティショーナーの最大限の貢献活動でもあるのです。
そんな人々の傍にはいつもジェイドヨガ があります。それは、調和の選択の証でもあります。
生きとし生けるものが平安で幸せであることを祈って。
Harih Om
Amrita Toshi (アムリタ トシ)
京都出身。
20年ほどインドに通い長期滞在しながら、恩師からヨーガと人間の幸せと究極的なゴールを教えるヴェーダを本格的に学び深める。
世界的に著名なロルフ・ナウジャカットと妻のマーシーより、アシュターンガとアイアンガーシステムをゴアで学び、アシタスタントを務める。
伝統的なヴェーダーンタの教えを世界的指導者であるスワミ・パラマートマナンダ・サラスヴァティから学び続けている。
ヨーガを体系的に学び深め統合された教えは、トシのティーチングは隅々まで行き渡り、情熱的でまっすぐなインドの伝統に基づいた言葉の一つ一つは、多くの人の考えに明かりを灯す。それは、マットの上だけにとどまらない生き方としてのヨーガに、人生を捧げているからであろう。
ヨーガがきっかけとなりサーフィンやフリーダイビングも嗜む。
HP: https://namah-shivaya.com/
Instagram: https://www.instagram.com/amrita_toshi/
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